読書メモ

マルドゥック・スクランブル

なぜか姉が購入してきたので、一日で読みきってみました。頭ふらふら。結構面白かったです。特に、カジノでアシュレイが出てきてからは燃えます。でも、これSFっつー感じじゃないですね。なんだろう。 いろいろなものが積み込まれすぎていて頭がふらふらし…

一年の総括(漫画編)

少女漫画に対する興味が増えた年、ってところでしょうか。リバーズエッジとか、ラブマスターXとか。三浦マサカズもそれなりに読めたし。 少年漫画だと、『うしおととら』を全巻読めたのは良かったです。藤田万歳に。からくりも結構読みましたし。 そんなも…

一年の総括(読書編)

つーわけでまずは本について。今年は読書に関しては及第点あげてもいいと思います。もうちょっと読めた気もしますけど、まー、それなりに私生活も忙しかったし、それ以上にヤバかったので、まぁこんなもんでしょう。ただ、小説の占める率が過去最低という、…

『ポップカルチャー』 宮台真司・松沢呉一

松沢なんたらさんの本を読むと、いつも風俗に行きたくなる。不思議なもんだ。基本的に人付き合いがそこまでうまくもなく、恋愛方向の人生経験が恐ろしく不足している自分には、それが必要な気がしてくる。大学内部で風俗とかいう単語を使っている自分が何よ…

壬生義士伝

やばい。泣きそうだった……。 まずは、浅田次郎を称えておきましょう。どこの神さまだこいつ。30程度のキャラにしっかりとした人格を与えて書き分けて、しかも複雑怪奇に絡ませる。その絡ませる際に出てくるエピソードとかもしっかりと整合性を持っている。…

『クルーグマンの良い経済学 悪い経済学』

ちょっと、読むのが早かったな、と後悔したけれども、それに気づかせてくれたという意味では役に立つ本だった、と言えるかもしれない。 エッセイ集みたいな感じなんだけれども、かかれているのは基本的に俗流経済学者、特に保護貿易主義者を否定する内容だっ…

死にぞこないの青

初乙一、というわけで。 いじめ関連の資料を姉が漁っているので、たまたま読んだんですが、中々良かったです。ちと薄すぎますが。 序盤から中盤にかけてのいじめられる側の克明な心理描写は、なんだか読んでいていたたまれない気持ちになりました。どんな人…

忘れ物たち

色々と書き忘れたのあるよなぁ、と思い出してみたり。 一応オースン・スコット・カートの『無伴奏ソナタ』読み終わったと思います。時間空けたから、一つか二つくらい読んでないのあるかもしれませんが。表題の『無伴奏ソナタ』はすごく切ない。ラストの時の…

『チャンピョン達の朝食』

カート・ヴォガネット・ジュニアの作品。ちなみに、ヴォガネット息子の方はこれが始めて――かなぁ。タイムクエイクってどっちだっけ。そもそも猫のゆりかごはどっちだっけ? まぁ、いいけどさ。 この本、人には薦めません。だって、面白くないもの。とりあえ…

『SFに何が出来るか』 ジュディス・メリル 評価C 再読AAA 

山形浩生一押しのSF評論集――なんですが、前提知識が足りなさ過ぎました。反省してきます。40〜60年代のSFの知識なんてほとんどねーっ! 最低スタージョンとバラードとヴォネガットを読んでおかないと駄目っぽい。つーか、さすがに65年の本は古すぎ…

夢の樹が接げたなら

星海シリーズで有名な森岡浩之の処女作を含む初期短編集。 かなりいい出来です。ちょびちょびラノベっぽいのを読んでいるタイプの人にSFを勧めるならば、これを選ぶかもしれません。簡素な文体、一ひねりも二ひねりもあるアイディア、思想実験としての試み…

読者の読みの深さについて

横から口出しなんて、本来はするもんじゃないんでしょうが、むしろ、奪い取りたいくらいの勢いなので。 ついでに、読書メモとゆーより、読書メモ論です。自分へメモ。 http://homepage3.nifty.com/yorunohane/html/zatubun_n12.html#0922 http://homepage3.n…

『三浦和義事件』

『占星術殺人事件』などの御手洗シリーズで知られる島田荘司による『ロス疑惑』のノンフィクション。『占星術殺人事件』・『異邦の騎士』とかが結構好きな自分としては前々から目をつけていた一冊だったりします。 中々、迫力のある本です。俺は、ロス疑惑の…

『天皇ごっこ』

狂人の書いたもの、なのかも。 俺から見れば、理解できない点が非常に多いです。革命家の考えることなんてわからないし、天皇というものがどれほどの重みを持っているのかも俺には良くわからない。たぶん、ここ見ている人のほとんどにもわからないんじゃない…

『最後の物たちの国で』より引用

『何とかして全部を詰め込もう、手遅れにならないうちに何とか終りにたどり着こう、そう念じて書いてきました。けれどいまでは、どれだけ自分をごまかしていたかが良く分かります。言葉はそんなことを許しはしません。終りに近づけば近づくほど、言うべきこ…

『最後の物たちの国で』

宏方さんのJUNKの中で紹介されていたhttp://media.excite.co.jp/book/presents/miura/を読んで、なんとなく柴田元幸、及び彼が良く訳すらしいポール・オースターの作品に興味をもって借りてきたのですが――大当たり。これからポール・オースターはかなり…

『ハイペリオンの没落』

とんでもない本でした。なんつーか、読書なれしてない人には全力でお勧めできない感じ。逆に読書なれてしてて、ちょっと衒学趣味な人にはかなりいけると思います。 人類全体の滅亡の危機、AIと人類との対立、神の概念――そんなどでかいスケールの中に様々な…

こどものあそび

南Q太の作品。岡崎京子のあまりにも救われない先のない世界に比べるとこっちは非常にいいです。別に明るいわけじゃないし、夢があるわけでもないけど、まぁ、適当に生きてりゃなんとかなるんじゃないの?いざとなったらそれなりにがんばろうぜ、くらいの世界…

リバースエッジ

岡崎京子の作品。 ……なんつーか、まぁ、よくもここまで乾いた話書けるなぁ、としみじみと感動してしまいます。寒い。寒すぎる。夢とか希望とかそういう明るいものが何一つ存在しないで、ただひたすらに薄暗い。のっぺりとした書き割りのような戦場。俺はこん…

QED

なんかだんだんよくなっている気がするなぁ……。 トリックはさっぱりわからない人なので、そっち側の質はもしかしたら低下しているのかもしれないけれども、15巻の二つの話はなんだかいいなぁ、と思えるところが多かったです。

ハッピー・ファミリー

三原ミツカズのデビュー作。母親にマジで恋をする息子と破天荒な父親、理想の塊みたいな母親の繰り広げるどたばたシリアス劇、なんですが、三巻がすばらしくいい出来です。そーか、愛とか恋とか書くなら最低限このあたりまではいけないとだめなんだなぁ、と…

beautiful people

また三原ミツカズ。普通の短編集。「雪白姫」と「空気の中を抜ける空」が好き。ていうか、後者の「空気を抜ける空」は自分が理想とする話とすら言えるかもしれない。個人的にはこういうのが一番好きだ。視点の取り方もすごく好きだし。最高。あと、「アンチ…

RIP

再び、三原ミツカズ作品。今回は「永遠の愛」をテーマに進んでいく、短編連作集、というか普通に一本の話か。自殺趣味の天使という設定をどうやって思いつくんだろうか、としみじみと思います。わりと、ありきたりな設定、テーマですが、この人のポップな絵…

カトゥル・カール

「Doll」で有名な三原ミツカズの作品。ケーキ屋を舞台にした、なんということもない作品なのだけれども、じんわりとハートウォーミング。いいねー。腕を信頼できる作者の短編集を読むというのはすごく幸せな時間だと思います。安心して読める。ただ、やっぱ…

亡国のイージス

前々から噂を聞いていてた『亡国のイージス』を読了しました。はじめの100ページちょっとは前日ぼーっと読んで「うーん、まぁまぁかなぁ」とか呟いてたのですが、今日の朝100ページほど読んだら手が止まらなくなり、結局昼過ぎまで電車に乗りながら歩…

絶望から出発しよう 宮台真司 ウェイツ 評価B 再読AA

もう一回読んでから考える。 ただ、感触としては『終りなき日常を生きろ』に良く似たこれまでのまとめ本という印象が強い。だから、そこまで面白くはなかった。ただまぁ、宮台の中から使えるツールを再確認する、という意味ではいいんだろうなぁ、こういうの…

盤上の敵

北村薫著の『盤上の敵』を読んでみた。以下、ネタバレ。 前、安孫子竹丸かなんかの作品を読んだ時も思ったんだけれども、二視点に別れていることを利用したトリックというのは多いのだろうか。SSでもたしかこんぺ作の紫楽さんかなんかの作品でそんな感じの…

『はじめて出会う心理学』 長谷川寿一他 有斐閣アルマ 評価C 再読E

<概要> 18章に分けて、心理学の基本的な事項を説明する。 The 入門書。 <感想> 大体、授業の課題で読まされるというのは面白くない。 時間の制限があるし、なにより最近はそこまで時間が余っているというわけでもないので後ろからせかされている感じが…

『言語ゲームと社会理論』 橋爪大三郎 勁草書房 評価C 再読F

<概要> 1章では、ヴィトゲンシュタインの後期の理論である『言語ゲーム論』の解説。すべての社会行動は言語ゲームであり、通常の論理学はそれと平行した別の言語ゲームであり、社会全体を説明する言語ゲームは存在することができないとされる。(説明の言…

『社会学のおしえ』 馬場靖雄 ナカニシヤ出版 評価B 再読F

<要約> 社会学の使い方としての相対主義の罠。 マックス・ウェーバーの分析による社会的行為、それをフロイトからの検証(とゆーほど大したモノじゃないが) 集団論。戦争がなくならない理由として、第三項排除。 宗教の社会学的分析。 <感想> 作者、ヲ…