死にぞこないの青

 初乙一、というわけで。
 いじめ関連の資料を姉が漁っているので、たまたま読んだんですが、中々良かったです。ちと薄すぎますが。
 序盤から中盤にかけてのいじめられる側の克明な心理描写は、なんだか読んでいていたたまれない気持ちになりました。どんな人間にも欠点はあるし、ミスはある。一般論的に言えば、ある程度までどんな人間も変わらない。――それを見失わされて、自分だけが全て悪いと思わされると、あんな風に世の中見えちまうのかなぁーとおもうと、わりといやな気持ちです。
 かといって、あの急展開のラストが心地よかったか、といえばそれもまた別なんですが。ちょっとファンタジーに逃げてる気がするの。悪いとはいわないけどさ。