『天皇ごっこ』

 狂人の書いたもの、なのかも。
 俺から見れば、理解できない点が非常に多いです。革命家の考えることなんてわからないし、天皇というものがどれほどの重みを持っているのかも俺には良くわからない。たぶん、ここ見ている人のほとんどにもわからないんじゃないでしょうか。でも、この小説にはかなりのパワーがあります。なんだかよくわからないけど、天皇というものが恐ろしい力を持ちかねない存在である事をこの小説は教え込みます。あるいは、これは大きすぎる存在というものが、それを崇める人にとっても、それに反対するものにとっても、どれほど避けて通れないものなのかを描いた物語なのかもしれません。
 私的には書き下ろしの最後の話が、すごいインパクトがありました。北一輝だの三島由紀夫だのにちょっと興味がわいてしまうほどに。でも、読まないほうがいいんだろうな、とも思います。右翼なんてなってしまったら、世間から外れることこの上ないです。一応、教養の範囲で知っておいて損はないとは思うんですけどね。
 ま、暇を見つけて考えます。三島は文学者としても、恐ろしく綺麗な文章を書くことで有名だし、その絡みで読んでもいいかもしれない。