2003-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『ニセ学生マニュアル〜死闘編』浅羽通明 徳間書店 評価A 再読AA

<概要> 冒頭は「知のおたく」批判。 それ以降は短いいくつかの論考とそれに関係する大学教授の紹介と批判。 感想。 さすが浅羽通明。非常に読みやすい文章で、インパクトのある内容を書く。でも、それよりもこの本の読みどころといえば、教授紹介のほうだ…

[読書メモ] 『ナンセンス感覚』 柳瀬尚紀 講談社新書 評価B 再読D

<概要> ナンセンスについてのナンセンスな文章での解説、紹介等。 <感想> なんつーか、よくもまぁ、ここまで駄洒落を連発できるな、と思わず感心してしまうほどの駄洒落の山。英語、フランス語、と様々に飛び交ったり哲学を出したりというあたりは英文学…

 ○『マルクスの現在』(1と3Aのみ)柄谷行人その他 とっても便利出版部 評価C 再読D

<概要> 1は浅田彰と市田良彦の対談。マルクス主義が歴史的にどう変遷していったのか、と言うことについて語る。 3Aは浅田彰が柄谷行人にインタビューをする形をとって、柄谷独自の概念『トランスクリティーク』が何かを語る。例を出すことで現実にわか…

なつやすみ

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――――――――――――――――――――――― あつい夏。セミの夏。夏休みの夏。白いワンピースの夏。麦茶の夏。ついでに金つばの夏。海へ行く夏。くらい森と友達になれる夏。 わたしは外に出かけた。 たぶん、夏を探しに。 夏は、さみしいんだけど、はずかしがりやだから一人で…

消滅

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テキスト系のサイト巡り。昔は、笑いを誘うサイトを見ていたが、最近はもっぱら哲学臭の漂う場所をまわるようになっていた。そこではシジェクの言葉が祭り上げられ、サブカルへの偏った思いが噴出し、幾人かの書店で見る名前が汚れの対象となる。哲学は右脳…

書き殴り気味

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――――――――――――――――――――――― 『黒いブーツ』 当時の僕はゴシック・ロリータに一つの哲学としての関心を持っていた。美に尽くし、すべての物に反抗し、自らを自然に遠ざけようとし、全ての美しくないものの存在を否定する。あまりに人工的で、非現実的な哲学。そ…

書き殴り

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- 朝、彼女がいなかった。 ああ、やっぱりか、と思って体を起こした。 気持ちのいい昼下がり。 『もう恋なんてしない』 本格的に体を出して、部屋の中を見渡す。煙で変色した棚は穴だらけになっていた。必要なものは全て持ち出してしまったのだろう。彼女が…

懲りずに家族計画SS第二段

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我らが末莉さんは軽く腐女子である。ひどく腐女子ではない。あくまでも、軽く、なのだ。これがポイントである。 世の中の遍く全ての存在は上を目指そうとする。向日葵は空を目指し、スプリンターはスピードを追及し、顔を赤らめたおとーさんは出世を目指す。…

家族計画SS第一弾

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幸せ……そう、末莉はこの上なく幸せだった。学校では相変わらず一人ぼっちだったけれども、家に帰れば司が、家族が、好きな人がいる。これ以上の何かを求めるのは欲張りというものではないだろうか。 そこまで考えて、末莉はばったりとちゃぶ台の上に倒れ伏し…