『現代思想の冒険者達 0巻』(マルクス編のみ) 今村仁司 講談社 評価D 再読B

 <概要>
 マルクス思想の使われ方について。それと、科学的認識・無神論唯物史観イデオロギー批判の三位一体による指差し機能が、これまでの哲学・経済学の見落としてきた外部を指し示し、無効化されるということについて。

 感想。
 なるほど、とうならされたものの、最後のあまりに空想的なプロレタリアートの定義づけにはちょっとがっくり。境界線上のものとかってなんか現実的じゃないよなぁ……。ロシアでの革命が中途半端になったのってそのせいなんだろうか。つーか、無理でしょ、それ。下の本のラストの共産社会もなんだか無理っぽい話だったし、所詮マルクス主義の革命って無理なんだろうか。まだ、マルクス自身の本読んでないからわかんないけど。
 指差し機能についても、疑問がわく。その見方だと、批判しかできない考え方ってことになってしまうんだけど。体系化されることを拒むのは、イコール批判だけということなのだろうか。文句ばっかり言ってるワガママとあんまりかわんねーよなぁ。まぁ、哲学畑の人らしいから、そういう観点になってるのかもしれないけど。