『いま、会いに行きます』

　わりと評価が高く（ex.仮面の男さん）、姉は否定しまくっている、という話でしたが、いや、良かったです。たぶん、２年前だったら「ふーん」で終わっていた気がしますが、いまだとなんかこー、ね。ほら。色々あったし。
　とりあえず、設定が秀逸。映画化関連でネタバレしてもいいもんだとかってに思い込んで書きますが、幽霊として現れてきた妻（しかも期限付きでいなくなること確定）に、昔の思い出を語るというプロットはその時点で切なさ炸裂でいいですね。思いつかねぇよ、そんな卑劣な設定。泣くしかねーだろう。
　文体が村上春樹の劣化コピーにしか見えないとか、わりと時々意味のない引きをするとかの問題はありますが、もうこのプロット立てられて、せつにゃいシーン書かれた時点でこっちの負けですよ。
　でもこれ、映画の方が面白い可能性が割りとあるプロットですよね。密度はあんまし高くないし、文章もさほどうまくない。あと、断片的な台詞が凄く素敵。映画いこっかなぁ。でも、この時期見に行くと、カップルだらけでわりと辛そうだが。