『塩の街』

 ふつーにうまい。いいラノベ読みました。というか、ラノベじゃないのも描ける作者があえてラノベに足を突っ込んでセカイ系SFを書いたというのが真相じゃないかと思ってみたり。個人的には、ああ、セカイ系ってこういうことなのか、という感じがしてそれはそれで面白かったり。
 よくわからん異世界生物がやってきて、それで世界が崩壊の危機に瀕してしまう。そこで、解決のために男たちが乗り出す、とか書くとなんかアルマゲドンみたいなストーリーです。が、そこで女の子を出す。そして、その子で世界を救う、救わないが左右されるみたいな意味づけをした瞬間にあら不思議、セカイ系に、みたいな。
 結局、自己決定願望みたいなのが増殖しすぎた&でも無理→セカイ系なのかなぁ、とか思ってしまったり。無力さを恋で乗り越えるというのはあんまり生産的だとは思えないんですけど、どうなのだろう。まぁ、生産的じゃなきゃいけないわけでは全然ないんですが。
 話としては一話が一番いいと思った。すげーよくまとまってる。ナイス。
 短編かかせたらめっさうまそうですね、この人。