鮮やかなモノクローム

 誰の作品のタイトルだっけ? こんぺ作だったのは覚えているけど。
 ノスタルジィは遠いものだ、というのはわりとこの近隣(うちのサイトの知り合いぐらいの意味)の常識である気がする。過去の記憶。彼方に消えていく記憶。いなくなってしまった人。どれもノスタルジーの対象です。考えてみりゃ、ノスタルジーっつーのを郷愁とやくして、出て行った田舎を思うものであるのならば、まぁ、その論理展開はわりとおかしくないわけですな。
 じゃあ、なんで遠いものに特別な感情を持つのだろう、と考えれば、そこには遠いことによる不自由感があるんじゃないか、と思うわけです。届かない。戻れない。そんな欠落感。たとえば、記憶が改変できるのならば、それはノスタルジーを呼ばないわけです。
 白黒映画をあえて選ぶ監督がいるのはその辺りに理由があるのかな、と思います。白黒映画が古いからノスタルジーを呼ぶわけではないのでしょう。モノクロというそれ自体が、色をなくしているという不自由さがあり、そのためにノスタルジーが生まれるのではないか。

 そんな暇つぶしの雑考。