『今、会いに行きます』

 痛烈に後悔しました。原作を読んでいたことを。なんか、原作を知ってしまっていると思わずそれと比べてしまって、やっぱり映画というのは容量が足りなくなってしまうものなんだな、というのを感じてしょうがなかったのです。くそー。
 でも、それを差し引けば中々いい作品なんじゃないかなーと思います。一緒に行った女の子の一人がガン泣きしてたし。終わったあと目が真っ赤でしたよ。
 以下ネタバレ気味に。








 中村しどーの演技は中々ぐーです。ただ、たっくんが必要以上に間抜けに描かれているせいもあって、中々違和感が炸裂してます。主にそれが原因という気もしますが、村上春樹臭は完全になくなっている感じですね。
 竹内ゆうこ(漢字分からん)はかわいいです。うん。でもキャラがなんかふつーになってしまってる感じが少し。高校時代の澪はもうちょっと優等生っぽい感じだと思ったのに。でも、ラスト付近の澪一人称はなんか無性に愛しいです。
 ストーリー全体で見ると、やはり削られてしまっているせいで良さが薄れてしまっていると感じるところが多々あります。特に、高校時代といちゃつき関連。セクースシーンの妙な魅力は完全に消えうせましたし。ただ、キスシーンとかは逆に良くなってるかも。あとたっくんの葛藤はかなり減ってます。
 ただ、映画的なシーンのつながりのよさがかなりいいです。ラスト付近のひまわりのイメージの連続でつなげるところは「すげー」とか感動してしまいました。ラストの唄がまた『花』だし。唄下手だけど、曲はいいし。

 全体的には見てもいい映画なんじゃないかなーと思います。絶対見に行けというほどではないけど。あと、カップル向けだと激しく思う。

 追記。
 描かなかったけど、ヴォガネットネタが各所に入っていて、すげー受ける。「そこもか! ここもか!」という感じ。ラブ。