ドキュメンタリー映画祭

 昨日行って来ました。
 一本目は350元の少年。
 


 成都の路上で少年とその仲間は麻薬を買うために盗みを重ね、中毒となっていた。子供達を救おうと監督は奔走するが……。
 がビラに書いてあるプロット。概ねそんな感じです。
 ここに出てくる少年が異常に大人びているのにびっくりさせられます。麻薬は一日数回打つわ、絶え間なくタバコを吸うわ、と不健康です。ギャング映画に出てくる少年そのものという感じですが、これはフィクションじゃないんですよね。親知らず抜いた痛みをこらえている俺から、海を越えてみると、そういう世界が事実広がっているんでしょう。世界は広い。
 そして、最終的には抜け出せないような仕組みが出来ている。警察とギャングはぐるになり、私腹を肥やすために警察の親戚が子供を麻薬漬けにし、盗みをやらせ、底から抜け出そうとしてもビザが取れず、孤児院にも入れない。泥沼でした。どこでも、恐らくそんなもんなのでしょう。抜け出せないような枠組みが出来てしまっている。そして、監督の努力もむなしく、少年達は元に戻っていき、盗みと麻薬を繰り返していくことが示唆された上で話が終わります。
 資本主義の悪についても語られます。貧富の差がますます開く。資本主義万歳の人はこれ見てどう思うんでしょうかね。政府の行動が悪いからだ、とか言うんでしょうか。理想郷なんてないのに。ただまー、どうしようもないのも事実っぽいですけど。NGO頑張れ、とか思わされてしまいます。やっぱ必要だわ。
 一番印象的なシーンは子供達が麻薬を自分に打つシーンでした。こっちが見てて背筋が寒くなるような強引な注射。打ったところから血がしたたり、その血のついた手で握られたタバコもまた赤い。真っ赤に染まりながら、くたり、とダウナートリップをしている少年達の姿は、かわいそうというよりも不気味でした。
 しかし、こういう映像はどう消化していいやら。
 二本目はインドの影絵職人達の話だったんですが、つまんなすぎて途中で出てしまいました。ごめんなさい。眠いし、歯が痛かったんです。