映画週間1『アメリカン・ビューティー』

 コミケも終わり、旅行も終わり、当面の予定がなくなったので、出来るだけ遠出しない生活をする予定です。んで、いい機会なので、映画をある程度数見ようかなと思っています。これまで目をつけていた作品とあと宮台の映画批評の本を買ったので、そこら辺を中心に見ていこうかと。なんのかんの言っても宮台好きです。少なくとも、サブカル批評の宮台は好きです。(())
 んで、第一作目として『アメリカン・ビューティー』を見ました。
 一言。最高。
 以下ネタバレ気味で。とりあえず、相沢は見ろ。絶対好きだから。








 序盤、中盤の雰囲気は『リバーズエッジ』を思い出しました。どこまでも先のない、よどんだ沼のような世界。アレに比べれば幾分コミカルさを増していますが、それでも本質的に「どこか壊れて」しまったようなところは変わりがありません。表面上だけの夫婦関係、厳しい海軍の父親、ホモのカップル、誰とやったと自慢するモデル志望の少女――乾ききった世界。けれども、一人の少年が引っ越してくることによって、周りがどんどん変わっていきます。どこか壊れた雰囲気ではなく、完全に常識とは乖離していきます。会社をやめ、麻薬を吸い、表面上だった関係を完全に終わらせる。でもそれは、本人にとっては「無駄なしがらみ」を捨てることでした。そして――。
 <超越>という概念を宮台は示して、新作の中で貫いています。よーするに、普通の世の中ででべでべ話しているだけじゃ満足できない奴が、それを超えたものを志向するってことなんですが、それを思わず信じたくなってしまうような映画でした。どこまでも「社会」のために振舞っていた少女が、<超越>した男によってそれを完全に捨て去り、それを「美しい」と評するシーンはあまりに美しいです。涙出そうです。萌えます。
 

 この映画がアカデミー賞取るというなら、日本のサブカルが広まるのも無理ないと思います。確かに、この方向性の漫画あるし。