白鳥な僕ら

 みんなそれぞれ大変なんだよな、って言うのは簡単ですし、うなずいて見せるのも大変なんですが、これはこれでわりと深遠な真理であるような気がします。
 会得も一苦労です。
 自分自身が「大変」という状況になること事態は簡単ですが、その上に他人が「大変」である、というシチュが重なって、さらに、それがいくつか転がっていて、やっと「あー、みんな大変なんだなー」(俺とかあいつとかだけが大変なんじゃなくて、みんなふつーの顔してるけど、水面下だと苦労してるんだなー)というような実感を得ることが出来るような気がします。
 これで何がわかるかって言えば、まぁ、みんな嘘ばっかりついているんだな、ってのが良くわかります。よくもまぁ、いけしゃあしゃあと笑顔なんか見せてやがるもんだ。裏でそんなに苦労しながら。ついでに、自分もそういえば嘘ついてるんだなと思い返してみて、見栄っ張りだなぁ、と笑ってみたりします。
 その上で、人のことが心配になるけれども、他人は心配もさせてくれないもんだなーと思ってちょっと寂しくなります。いやまぁ、迷惑かけられても困るっていえば、困るけどね。「他人に優しくしたいです」なんていう奴はFATEのセイバーシナリオでもやって士郎と自分でも比べてみろ。

 まぁ、ようするに。
 それでも世界は回ってるんだなぁ、とか、そんなかんじ。