家族。あるいはかわいそうな人

 「家族という団体に所属している」というような言葉を聴いて違和感を持つのは、理由が二つあるような気がする。一つは、「家族」という言葉に対する印象と自分の家族に対する印象が凄く違うから。もひとつが、所属という言葉が似合うほどうちの家族が組織化(?)されていないから。
 家族というと、ホームドラマ等の影響からか家父長制っぽいものをイメージしてしまったりするのです。といっても、ホームドラマもずいぶん最近は様変わりしているだろうから、その印象はあまり正しくないんだろうけれども、「家族に所属する」みたいな言葉を聴くと、そちら側の家族を思い出すのです。
 もう一個の方はうまくは説明できないけれども、家族の構成員全体が一つの方向に向かっているわけではない、とかそんな感じです。適当なことをやっている人々が家という一つの場に集まっている感じ。俺はまだ扶養されている身分ですし、仲悪いわけではないんですが、なんかそうなるんですよねぇ。年とったか。
 でもたぶん、そんな自分だからこそ、家族を無邪気に好きといえるんだと思います。最近、そういう無邪気さがどれだけ貴重なのかがようやくわかってきました。