ふと思う

 「あなたの考えかたの中心はなんですか?」と言われると「人間、思ったほど自分の意思とか個性とかは強くない」ってところに集約される気がした。大体意思とか個性とかも状況によって形成されると思っているし。
 でも、この考えかたがメジャーかって言うと、そうでもないのだろう。前サークルの同級生について先輩と話していたときに俺は「その日との影響力の強さは危険だよね」という立場をとり、先輩は「影響される奴が悪い」という話になった。俺はわりと良い、悪いはどうでもいいと思っているのだけれども、それは珍しいんだろう。きっと。ある意味、学者的思考っつーか。俺の弱点の一つかもなぁ……。
 ちなみになんでどーでもいいかっつーと、それも状況によって形成されるものであるし、多分に共同体内部的な物であると思うから、かなぁ。一貫した倫理観にはあまり惹かれないのです。あるとすれば、どこまでも条件的な倫理。ただ、「自分の属する共同体に最低限必要なことは守る」というのが倫理かもしれない。でも、その程度でいいと思う。確かすぎる倫理観なんて、たぶん邪魔にしかならない。『市場の倫理 統治の倫理』で倫理・道徳の形成過程を読んでいると、それがかなり合理的な背景を持っているのがうかがえて、その思考がさらに固まってきた。