優柔不断と黒いブーツ

 『しゃべり場』を十分くらい見てたんですが、なんだか切なくなってしまいました。
 今回の提案者(っつーんだっけ?)は自分に自信のもてないゴス少女で、なんだか誰かに話すたびに目を伏せたり、顔を手で覆ったりして、いつも彼女は戸惑っていました。誰かがしゃべりだすのを、悲鳴のような声で止めて、それでも何もしゃべれない。そんな少女を見ていると、なんだか心が痛みました。
 きっと、彼女は全てのものを手に入れようとしすぎています。他人からの評価もほしい、自分で自分を認めたい、内面も外面も認めてもらいたい、自分のプライドも保ちたい――。そんな全てのものを手に入れようとする態度も、優柔不断さの裏返しです。本当は、彼女は全てを手に入れたいんじゃなくて、ただ、何かを選ぶことができないだけなんです。色々なものの片鱗を掴んで、それで、きっと全てを得られると誤解してしまったんでしょう。42歳の女優が言っていた「凹むときにこそ、人間性がぐぐっと向上するんだよ」という台詞は、きっとそのときにいろいろなものを諦めなければいけないからなんです。あなたは、まだ、きっと無垢すぎる。でも、その白の服のようにはいられないんです。
 ゴスロリに興味を持ってみたり、乙女のバイブルといわれる『それいぬ』を読んだりするのは、きっと俺が多少なりともゴス少女に共感してしまう点があるからなんでしょう。そんなことも、思いました。

 ま、多少むかついたのも事実なんですけどね。