リリイ・シュシュのすべて

 まぁ、岩井俊二だから神なんですが。
 ――うん。なんか、これ以上語るのが不粋という以前に、どう語っていいかわからないというか、語る必要があるのだろーかというか。とりあえず、岩井俊二は全てマストチェキね、と自分にメモっておく。あと、ドビュッシーも聞こう。うん。メモメモ。昔『月光』のあまりの不協和音っぷりに浪漫を感じなかったのを思い出すけど、いまならどう感じるんだろうか。
 岩井俊二はこんなに美しい風景を撮ることが出来るんだろうか、と凄く思う。ラストの少女が田園の中で後ろに倒れこむシーンとか、ただそのシーンの美しさだけで泣きそうになった。岩井俊二にメッセージ性があるのだとしても、俺はそんなもん見たくない。あれだけ美しい世界を構成してくれるんだったら、もうそれ以上の物はいらない。あるんだとしても、読み取りたいと思わない。あるんだろうけどさ。あと、グライダーが飛んでるシーンも泣けたよなぁ。綺麗過ぎて。
 あー。
 文章書くのヤになってくるよな。ああいうところ、映画に叶うはずがない。もし俺が映画を撮ったとしても、岩井俊二のあの美しさに叶うわけがないけれども。あのシーンの綺麗さって、本当に才能だと思う。後ろに洗濯物が吊るされているようなところでも、胸が締め付けられるような美しいシーンが作れるっていうのはどういったわけなんだろうか。
 次は相沢さん推薦の『love letter』が見たいなー。まだ『Dolls』も見てないしなー。むふー。時間ねー。