読了

 旅行中に『少年の街』藤井誠二著、『お前がセカイを殺したいなら』切通理作著、『風の歌を聞け』村上春樹著(再読)、『鬼平犯科帳池波正太郎著を読了。
 前半二つは下ので触れるからまぁ、良しとして。
 『風の歌を聞け』を再読して思ったのは、この頃の村上春樹は凄いスピードで文体が変わっていったんだなぁ、ということ。春樹といえばすぐに思い出すようなあの独特な比喩はこの当時はあまり細かい形では出てきていない。かわりに、唐突な文章はこのころの方が多い気がした。
あと、初期の春樹ってやっぱり、内容がないとしか思えねぇ。いや、某氏が言ったように「外側から見ればある」んだろうけど、感情移入するとないって。
 『鬼平犯科帳』はたまたま親戚が7巻まで盛っていて、いらないといっていたのでで貰ってきた。評判通りの渋い文章。ここ、あと三倍は盛り上げられるだろうっ! と言う所でも盛り上げずにさっさと流すあたりに文化の違いを感じる。個人的には『老盗の夢』のラストシーンが好き。残酷だっ。でも、一見すると優しいように見えるのは、やっぱりあっさりした筆致とキャラクターのユーモアゆえなんだろうか。