『趣都の誕生』

 最近はやっていた本。気まぐれに手を出してみました。
 単純に建築の人はこういう風に物を見るのか、というのが面白かったです。ジャンボジェットの塗装から、時代の移り変わりを見るとゆーのはなんつーか、予想外の話だ。
 一番気になったのはエロゲーのエロシーンのCGをさして「グロテスク」と評したところ。言われるまで気がつきませんでした。確かにグロい。でも、染まりきっているとそういう視点は出てこないと思うのです。この森川さんは、ヲタなのでしょうか。非ヲタなのでしょうか。ヲタだけど、エロゲはやらない人なのでしょうか。わりとどうでもいいところなのですが、そこは気になりました。

 内容は――うーん、どうなんでしょうね。秋葉が異常なのは感じていたので、言われてみるとなるほろなーという感じです。ですが、手法的に建築史の延長線上に乗せてみました、見たいな感じなので、その史の正当性に確信が持てない以上なんとも。ただ、ここで語れている建築史――官―民と街を建築する主体が変化し、それによって町並みも変化した――は凄くピンと来る部分があったので、結構いい感じですが。あと、オウム論も、様々な箇所で語られているところとも一緒ですし。ただ、『A』で見たわりと普通なオウム信者の印象が忘れられないので、そうすると彼らの中ではどういう整合性がついていたのか、という疑問が残りますが。もちろん、オウム信者でくくるのはむりでょうけど。
 瑕疵っぽいのは、一箇所。窓の広さを証拠に論じられると首をかしげざるをえません。それは、ちょっとこじつけくさい。