Fate アーチャールート。

 どこが凛ルートなのかを作成者に問い詰めたいところですが。Kanon以後のエロゲーをメインにやってきた身*1としては、なんつーか、メインヒロインが焦点じゃないシナリオって初めてなのです。
 うろ覚えのセイバールートよりはこっちのほうが好感が持てるというか、熱い。いや、セイバールートもかなり熱かった気がしますが、こっちのほうが。なにより、アーチャーの正体が熱い。きのこさんの設定マニアっぷりがいい方向に働くとこんな風な作品作れるんだなぁ、としみじみ。昔酔狂さんが月姫について書いていた通り、同じことをくどくど書き続けている、という点はこっちでも変わってないどころか一層強化されている観があるので、ダメな人はダメなんでしょうが――でも好き。
 エンディングが好き。作品を通して、士郎は何も変わっていない――というか、変わらないことを選んだわけなんですけど、その試行錯誤すら超えて、変わっていくことを祈る力が感じられるのが凄い好きです。そこらへんのある種のスケールのでかさは、素敵過ぎです。
 あとは、巷を騒がせていた桜ルートだけなんですが――楽しみだなぁ。しかし、いつやったもんか。


 追記。
 きのこさんはわりと不器用なのだな、とか思ったりします。空理空論で流れるような文章はあれほど流暢に書けて、あれほどバリエーションをつけるのに、結局最終的に行き着くのは子供っぽい理想を貫く、という点に落とすあたり。そして、それをテーマをわりとがっつんがっつん押し出す形で、8時間近くかけるんですから。たぶん、もっと短くも出来るし、もっと色々と詰め込むことも出来る。たぶん、士郎とアーチャーだけに集中させた部分にキャスターとかの心理的な絡みをもっと入れれば、テーマとして左右に触れてもっと面白くなった気がします。キャスター萌えの人もいますし。でもそうしないっていうのは、キャスターに興味がないとかじゃなくて、単にそういうストレートなのを書きたかったんだろうな、と思います。出来ないことはないだろうし。
 そう考えると、わりと作者に萌える。

*1:それより前はよく知らんので、確証持てず