誰も知らない

 カンヌで賞取った話題作。ということで、見てきました。
 渋いです。激しく渋い作品です。元々ドキュメンタリーの監督で、脚本を渡さないアドリブ重視の作品らしいんですが、そうみたいですね。虚構っぽい台詞があんまりない。そしてそれ以前に台詞がほとんどない。邦画の低予算っぽさが出てます。
 とまぁ、揶揄ともつかないのはここまでにして。
 見て感じたのは、取り残された子供達の生活力とかそんなことよりも、都市を生きるってのは、中々簡単なことで、そして、よーわからんことだなぁ、ってことでした。実際、もしもああいう環境の子供がそこら辺歩いていたとしても、俺は気がつくことは出来ない。隣に住んでいても、わからないかもしれない。
 彼らの生活は、非常に貧しい。電気水道止められて、まともな飯も食べれなくて。でも、それでも、楽しそうなときは凄く楽しそうでした。当たり前のことなんですけど、そこらへんのことを意識させないで、「辛いときは、辛いだけ」みたいに思わせようとする作品が多い気がするので、そこらへんが凄い好感触でした。
 あと、細かいディティールがなんとも言えず渋い。コンビニに、おにぎり貰いに行くときに、一緒に水を汲みに行くからバケツを持っていく。んで、持ちやすいそうだし、なんとなく入れる、この「なんとなく」感はえーなーと思いました。


 そんなこんな。