飲み会にて。
これから就職する先輩が自分の進路について熱く語っていたのを聞いて、いろいろと疑問を持ってしまいました。
「本当は環境系のことがやりたかったんだけど、なんかまだいろいろとほかの世界があるみたいだからそれを体験してみたかった」「最終的には起業したい。それで、これまでにはないようなビジネススタイルみたいなのを作ってみたい」「だって、格好いいから」「金がそんなに大事なの?」――なんとなく印象に残っている言葉。
仕事に対する付き合い方は「金第一」と「やりがい第一」という二極があって、それの間をうろうろしている、というのが一番良く見る考え方のような気がします。で、自分は「やりがい第一」みたいな人をみると、なんとなく首を傾げてしまうわけです。
なんつーか……夢ばっかり追ってもねぇ。みたいな。
夢は大事です。大体妄想しないと世の中やってられません。でも、それだけだと格好悪いです。最低限のラインをキープするか、そのラインを下げるかしないで、夢を追うのはちょっと虫が良すぎる気がします。その先輩から感じたのは、そんな虫の良さでした。残酷な言い方をすれば、それほどの能力があるとも思えない人でしたし。いい人なんだけれど。
敷衍するなら。
浅羽道明の言葉を思い出します。大まかに再現すると、仕事は最低限どこを我慢できるかを見極めて、それが保てるラインで選ぶべきだ、と。
たぶん、そのあたりが妥当なスタンスなんでしょう。積極的に選ぶと、思い込みが生じます。そして、思い込みはリアリティと戦ったとき、そんなに長くは持たない気がします。
俺はそのなかでは仕事から得られる感動よりも、余暇の時間に得られる感動のほうが強い人間なんだと思います。――まだ無論「思います」の文字ははずせないんですけど。できるだけそれを外せないまでも薄れさせるためにアルバイトやってるんでしょうが。
夢を語っていた先輩が、二年後、三年後に会ったときにどうなっているのかが、気になります。昨日と同じように熱っぽく語っているのか、それとも仕事が忙しすぎてと酒を飲んでくだを巻いているのか。