マトリックス・リローテッド

 あー、たしかにこれならば、前編の方が面白いや。なんというか、『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』を思い出す感じですね。この絶妙の尻切れトンボっぷりとか、前編よりスケールを大きくしたせいで、作品としてなんとなく違和感が沸くあたりとか。
 ただまぁ、この作品の肝ってそういうトコじゃないんでしょうねぇ。
 まず、抑えておくべき点としてアクションなんでしょうが、正直マトリックスが出てからかなりの時間もたち、マトリックスの亜流からはじまったようなアクションもかなり進化してきたものが出てきたような気がします。俺はそこら辺をほとんど抑えていないんですが、唯一抑えた『リベリオン』と比べると「ん?」という感じがするんです。ぶっちゃければ、『リベリオン』と近作を比べると、『リベリオン』のほうが俺は格好よく感じました。『マトリックス』を見た後、モーフィアスの「くいっ、くいっ」という手招きが一時的にはやりました。『リベリオン』を見た後は、にけたんと一緒に「っていうか、ガン=カタ?」とか無駄に言ってました。でも、この作品見た後「アクションすげー」って感覚がいまいちわかない。なんていうか、匂いとか重みとかが足りないし、かといって前作見たときに比べると、CGアクションのインパクトとかがかなり薄れている。高速道路のシーンは結構いい感じでしたが、でもそれほどでもなく。むぅ。スミスのシーンはなんかいまいち感が漂っていた上に、最後に飛んで逃げたのを見て「ならはじめから逃げろよ!」とか突っ込みを入れてしまう始末。
 内容的には、『アメリカン・デストピア』内で宮台真司の感想をちょろっと読んでしまっていたので、そっちにかなり引きずられて見ていました。すべてが支配されたマトリックスという世界。そしてその外側で動いているように思っているザイオンの住人。けれども、マトリックスという世界をより深く支配しているのはもちろんコンピューターの側で、それは深く深く支配されているために、結局は彼らに勝てることはない。モーフィアスの深く信じていた預言者すらコンピューターだった、という事実は結局すべてが決まっていた茶番だったと感じさせます。
 ――ただまぁ、それがくどい。自然とわからせるというような感じではなく、ひたすらそれを語るので、会得するという感じではなく。はいはいそーですか、という感じです。
 お前は素人か。
 コンピューターとの共存とかも普通にしゃべりすぎだし。なんか深く突っ込んでくれるのだろうか。期待してないけど。
 ま、一応礼儀としてレボリューションズも見ます。ビデオで一週間になったら、近くのビデオ屋で半額でw