『誰も教えてくれなかった聖書の読み方』評価A 再読F

 山形浩生翻訳シリーズ第二段。内容としては、聖書を誠実に読んだらあほらしいんだということを教えてくれる本。
 山形印だけあって読みやすい翻訳、というのが聞いたんだとおもうんだけれども、馬鹿受けしました。そーか、旧約聖書ってこんなにあほらしい産物だったのか! ていうか、殺しすぎです神様。あなたは一体何人殺せば気が済むんですか?と激しく突っ込みを入れまくりたくなるw ついでにイエスがデブかあるいは胃下垂だったことも教えてくれる。パウロが超有能な経営者であることも教えてくれる。布教者としては駄目駄目みたいだけど。教えを捻じ曲げちゃ駄目だろ。ただ、以後のキリスト教の腐敗も先祖がえりだったんだなぁ、というような気持ちも湧く。
 それと、聖典の教義なんて所詮大事にはされないもんなんみたいだね。後書きで山形氏がミヤテツのオウムに対する「かれらの教義には殺人とテロを肯定する部分があって危険だ」というコメントを引いて、「ならキリスト教はどーなんだ」と突っ込みを入れているけれども、かなり同意。一歩踏み込めば、どんな組織も重要なのは内部の規範であって、聖典ではないとゆーことになるのかもしれない。あれか。社訓を暗証させられてげんなりしてる社員みたいなもんか。違うか。あるいは、本当に宗教に熱狂する人間なんて、あまりいないということなのか。まぁ、ここらへんは読み取り次第。
 マジメにコメントするなら、正しい意味での原理主義*1はそーとーな強弁をしてるんだな、っつーのがわかった。これが全部本当というのは明らかに無理だ。あと、みんなほんとに聖書はちゃんと読んでないんですねっつーのもわかった。うちの大学の「旧約聖書思想」とか、あれを読んだ後だと一体何を教えてんねんという気持ちになる。晴れ晴れとする。
 読むなら新約だな。読まないっぽいけど。

*1:つまり聖書は全部正しい!と言ってる奴らのこと。イスラムのは最近出来た造語らしいよ。って有名か。