スワロウテイル

 神過ぎだろう。ていうか。
 宮台の解説集『援交から天皇へ』で名前を見てから、いつか見てやると思っていたんですが、いや見てよかったです。本当に良かった。ていうか、神だろう。ぶっちゃけ深度が俺の量れる限界を超えているのでなんだか曖昧な印象ですが、それでも凄い。一つ一つのエピソードの作り方っつーのもあるし、それの撮り方っつーのもあるし、あーもう。凄い凄い。これは見ろ。見るべし。
 ラストシーンは鳥肌が立ちました。なんで最後にあんなシーンを持っていけるのだろうか。全てを白紙に戻すエンド。文字通り、全て、です。あーネタばれしたくないから書かないですけど、凄すぎ。つーか、全体的になんなんだこれは。もう。
 俺がやりたいことをプロのレベルでやるとこうなるのか、と思いました。目指しているベクトル的には近い気がします。他で見たことがないようなエピソード、深度は高め、でもわからなくても楽しめる、過去へと向かう退行的なベクトル、けれどもそれを暗く書きすぎずに、キャラはステロタイプでも魅力的に。
 うーん。かてないなぁ……発想が違いすぎる。技術も違いすぎる。つか、映画ですよね。文章だといくつかの魅力的なシーンは死んでしまう。ただ、それは映画用にカスタマイズされているからであって、もしかしたら文章でもそれに対抗できるような書き方はできるのかもしれない。
 できるかなぁ。やっぱり文章って唐突さが出しにくいですよね。やろうとすると『風の歌を聞け』になっちゃう気がするし、ああいうのは個人的にダメだし。好きだけど。
 うーん。
 本当に見てよかったです。これから岩井俊二はマークします。むしろ、全部みます。幸せな時間を手に入れられそうです。人生最高。